包装資材の材質、素材の特徴、用途。取扱上の注意をまとめてみた。

包装資材は、いろんな商品がありますが、容器一つとっても様々な材質、素材で作られています。袋なども同様です。材質や素材によってそれぞれ特徴があります。耐熱温度であったり、取り扱う時に注意すべき点もあります。あまり聞き馴染みのない物もあると思いますが、一通りまとめたので、何かの参考になればと思います。

容器素材の特徴と用途・取扱上の注意

PPF CTポリプロピレン+フィラー入

PPに無機物とPSを混合した素材です。耐熱性・耐油性・耐酸性があり、燃焼カロリーが低い素材です。
用途:弁当容器・カレー容器・惣菜容器など
耐熱温度:130℃
電子レンジで内容物を温めることはできますが、電子レンジやオーブンでの調理には使用しない。

PP ポリプロピレン

比重が軽く、耐油性・耐酸性と耐熱性がある素材です。
用途:レンジ対応フードパック、蓋など
耐熱温度:110℃
電子レンジで内容物を温めることはできますが、電子レンジやオーブンでの調理には使用しない。

MFP マルチFP®(耐熱・耐寒ポリスチレン)

耐熱性・耐寒性を併せ持った素材です。発砲品なので断熱性にも優れ冷凍からレンジ加熱まで幅広い用途にご使用いただけます。
用途:弁当容器・丼など
耐熱温度:130℃
電子レンジで内容物を温めることはできますが、電子レンジやオーブンでの調理には使用しない。

BS ポリスチレン(PP入り)

PS素材単体よりも耐熱性・耐油性を向上させた素材です。
用途:容器・カレー皿・丼容器など
耐熱温度:110℃
業務用のむし器には使用できない場合があります。茶碗むし器を使用の際はPP素材の蓋をご使用ください。一部電子レンジ不可の容器があります。

BF 低反発ポリスチレン(PP入り)

電子レンジで温め可能な耐熱性があり、また耐油性・断熱性・保湿性に優れています。
用途:弁当容器本店・丼容器・カレー容器など
105℃
業務用のむし器には使用できない場合があります。茶碗むし器を使用の際はPP素材の蓋をご使用ください。

OPS 二軸延伸ポリスチレン

ポリスチレンを縦横二方向に延伸し、強度を増した素材です。透明性・光沢性があります。
用途:弁当容器の蓋、フードパックなど
耐熱温度:85℃
電子レンジやオーブンで使用しないでください。柑橘系の皮に含まれるテルペンや、油脂により変質することがあります。ポリ塩化ビニル製ラップを使用した場合、可塑剤の影響により容器が脆くなり破損する場合がありますのでご注意ください。酒類のアルコール飲料の長期保存を避けてください。

UF 低発砲ポリスチレン

非発泡素材に比べ軽量な低発砲素材です。耐性にも優れています。
用途:パーティー皿、オードブル皿、カップホワイトなど
耐熱温度:85℃
電子レンジやオーブンで使用しないでください。柑橘系の皮に含まれるテルペンや、油分の多い熱い食品、又は、油脂により変質することがあります。

A-PET アモルファス・ポリエチレンテレフタレート

ガスバリヤ性があり、優れた保香効果をもった素材です。燃焼カロリーが低く、高い透明性と耐油性あります。
用途:PET円筒ケース、クリーンカップ、フルーツケースなど
耐熱温度:60℃
電子レンジやオーブンで使用しないでください。

PSP 発泡ポリスチレン

ポリスチレンを縦横(高発泡)させた軽量素材です。クッション性、保湿性・断熱性がありパール調の光沢があります。
用途:舟皿、トレー、丼容器など
耐熱温度:85℃
電子レンジやオーブンで使用しないでください。柑橘系の皮に含まれるテルペンや、油分の多い熱い食品、又は、油脂により変質することがあります。酒類のアルコール飲料の長期保存を避けてください。

HIPS ハイインパクトポリスチレン

成型性がよく、耐衝撃性のある素材です。主にPPフィルムをラミして耐油性を持たせています。
用途:オードブル皿、寿司容器、仕出し容器など
耐熱温度:85℃
電子レンジやオーブンで使用しないでください。柑橘系の皮に含まれるテルペンや、油脂により変質することがあります。ポリ塩化ビニル製ラップを使用した場合、可塑剤の影響により容器が脆くなり破損する場合がありますのでご注意ください。酒類のアルコール飲料の長期保存を避けてください。

化成品の材質

LDPE 高圧ポリエチレン

もっとも一般的に利用されるプラスチックフィルム。手触りが柔らかく、しなやかな素材。しわになりにくい。
用途:ポリエチレン袋、チャック付き袋、LDポリグローブなど

HDPE 中低圧ポリエチレン

外観は不透明でパリパリとした素材。引っ張りに強く、伸びにくい強さがあります。
用途:レジバックなど

IPP インフレーションポリプロピレン

未延伸なPPフィルム。透明度や価格の面ではLDPEとOPPの中間に位置します。フィルム表面が滑りやすい性質があり、商品を入れやすい反面積み重ねることができない欠点もあります。
用途:PPパン袋など

OPP オリエンテットポリプロピレン

透明性に優れ、さまざまな商品パッケージ等に用いられています。フィルム自体の強度はありますが、熱シール性が悪いため、防湿性、気体遮断性には問題があります。
用途:クリスタルパック・OPPボードン袋など

CPP 無延伸ポリプロピレン

溶断シール性に優れた素材で、重量のある青果物の包装に適しています。熱により変形したり燃えたりすることがあります。
用途:CPP袋など

NY ナイロン

ポリエチレンと比較して酸素透過度が低く、中身の酸化防止を図れます。また大変強度に優れている為、ポリエチレンと張り合わせる事で真空袋の素材使用されます。
用途:ナイロンポリ、スポンジなど

SPS シンジオタクチックポリスチレン樹脂

高い耐熱性と耐薬品性をポリスチレンに付加された素材です。耐熱温度260℃とその加工品は食洗器や乾燥機の使用に対応ししています。
用途:樹脂箸など

PVC ポリ塩化ビニル

耐油性、耐薬品性に優れ、表面の艶・光沢度が高いです。
用途:ラップ、プラスチックグローブなど

PVDC ポリ塩化ビニリデン

プラスチックの一種です。薄いフィルムにしても、他のプラスチックに比較し酸素や水蒸気を通しにくい性質が優れているので、食品の包装に使われます。
用途:ラップなど

ニトリル ニトリル

ニトリルゴム(合成ゴム)という材質で、非常に強度があり、耐油性、耐薬品性、耐突き刺し特性に極めて優れているのが特徴です。また、ラテックス(天然ゴム)素材と比較すると、アレルギーも少ないです。
用途:ニトリル手袋など

最後に

材質や素材の特徴から現在使用の商品が本当に自社の商品に合っているのか、違う容器の方が合っているのか、知らずに使い方を間違えて大問題に発展してしまうなんて事もあるかもしれませんし、例えば、過去の事例であったのですが、りんごを入れる為にOPPの袋を使っていたが、入れると破損してしまうなどの問題が発生しました。すぐに、CPPの野菜袋を提案出来ました。覚えなくても良いですが、そういう時に利用してみてください。

何でも問い合わせは小林まで。